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スペインの好きなところ、嫌いなところ by 夫
こんにちは!皆様、お元気でしょうか?私は元気です。こちらは先日のサン・ジョルディの日以降は晴天が続き、すっかり春らしい気候になってきました。 そういえば、なぜ移住したかPart 2が、完結編へ続く、というくだりで終わってましたが、その後なかなか書いていませんでしたね。苦笑 それはとりあえず先送りして(日本の政治家風)、今回はスペイン、バルセロナの好きなところ、嫌いなところを書いていこうと思います! まずは圧倒的に好きなところが多いのを強調しておきたいと思いますが、今回は嫌いなところから始めたいと思います。それはなぜか? 皆様こういう話よく聞かないだろうか? A 「いやー、第一印象はすごく良かっし、付き合っている時は優しかったのに、結婚したらだんだん家事も手伝わなくなって、最初の頃の印象に騙された。釣った魚に餌やらないってこのことだわ。。。」 B 「最初は愛想悪いし、ぱっとしなかったんだけど、付き合ってみると優しいし気がきいて、どんどん惹かれていった。結婚した後の家事にも協力的なの」 AとBのケース、結果的にどちらの印象がいいだろうか?そう!最初の印象が悪く期待値が低ければ低いほど、後で好印象を与えることができた時に、評価がぐ〜んと高くなるのです!け、けっして、わ、わたしは、Aじゃないですよ、や、いやだな〜、か、勘違いしないでくださいよ。汗 なので、今回は悪いところから書いて、次回良いところを書きます。すると皆様のスペインに対する印象はすごく良くなる!という作戦です。 では、嫌いなところ第5位から!ドラムロールお願いしやす! 第5位 スリが異常に多い! たぶんバルセロナは世界で最もスリが多い都市の一つだと思います。私も到着してすぐに盗まれました! ハートを! だから移住したんですよね。すぐ大好きになっちゃいました。 という話は置いておいて、本当に財布、携帯など住民の半数以上は一度は何かしら盗まれてます。一度ならまだ良い方です。私も一度iphone盗まれました。バスの中で、混んでもないのになんか中途半端に真ん中に立っている輩がいて、彼の横を通り過ぎる時体がぶつかって、その瞬間盗まれました。。。たださすがプロ、その瞬間は全く気付かないのです。 それはただ、とある恵比寿のレストランでトイレから出た後、巻き込んでしまったトイレットペーパーを尻尾のようにズボンから垂らしながらテーブルに戻ってきているのに気付かなかったくらい私が鈍感なのか?いや、みんな言います、全く気付かないうちに盗られていると。 余談だか、その時隣の席の女子たちに笑われているのに気づいて恥ずかしかった私、思わずこんな言い訳をした。「マラソンのゴール・テープ切ってる風でしょ!?」と。トイレット・ペーパーをテープに見立てたのか、まったく意味が分からない。 日本やニューヨークでは、普段携帯は前ポケ、財布は後ろポケ、生ハムはお腹の中に閉まってたため、基本バッグを持ち歩いたことはなかったが、スペインでは近場に行くのにも必ずウエストポーチ(死語?)を前がけで持ち歩く。結構不便。 ただ実はスリをはたらいている人のほとんどはスペイン人ではなく、北アフリカや東欧からの違法移民。もちろんそれらの国を批判したいわけではないのだが、スペインの方が悪いというわけでもないということを記したい。 一方で、重犯罪はかなり少ない。一部地域を除いては、普通に女性が夜中3時とかに歩いていても平気だし、殺人とかに関してはほとんど聞いたことない。スペインってなぜか治安悪いイメージがあるが、旅行者の方はスリさえ気をつければ危ない目にあうということはほとんどないはず。実際、私たち家族も一回も危ない目にあったことはない。 第4位 ご飯を食べる時間が遅すぎる スペインでは、お昼ご飯を13時半以降に食べ、夜ご飯を20時半以降に食べる。従って、レストランもその時間まで開かない。18時にお腹空いても店があまり開いてない。通しでやっている店もあるが、その時間はキッチンが開いてなく軽いものしか取れない。子連れのファミリーには困ったちゃん。だから夜は基本子連れではレストランに行けない。夜ご飯が終わるのも深夜12時なんてこともざらにある。でも、感心するのは、一見Lazyだと思われているスペイン人も普通に9時、場合によってはもっと早くからちゃんと働いている。ちょっとCrazy。この韻の踏み方まるでJay Z!...
4/23 Sant Jordiの日とは? by 夫
こんにちは!皆様、お元気でしょうか?私は、元気です! そう、今日4月23日はうちのお兄ちゃんの誕生日なのです。この場を借りて、お誕生日おめでとう!遠く離れて暮らしているから普段一切話さないけど、一応覚えてるよ! ということはどうでもよくて、4月23日はカタルーニャでは最も重要かつロマンティックな日なのです。 ロマンティックあげるよ〜♪ ロマンティックあげるよ〜♪ 本当の勇気見せてくれたら〜🎶 今日サン・ジョルディの日は、カタルーニャのバレンタインデーとも言われ、カップル、家族、友達の間で日頃の感謝や愛を込め、薔薇や本をプレゼントするのです。 一般的には、男性が女性に薔薇をあげ、女性が男性に本を渡すことが多いです。薔薇は赤と黄色二種類あり、赤は愛のしるし、黄色は友情のしるしとされています。また街中の道端には花を売るスタンド、本を売るスタンドがそれぞれ並び、人々で溢れかえってます。建物も、薔薇が飾られたり、赤と黄色のカタルーニャ州色で彩られ、とても綺麗です。 では、なぜ4月23日なのでしょう? それは、11世紀に遡るのですが、騎士であったJordiが亡くなったのがこの日なのです。この騎士Jordiに関しては、こんな逸話があるのです。 タラゴナのモンブランという街が舞台になっており、そこには悪いドラゴンが住み着いてしまいました。街中の人は、この凶暴なドラゴンをとても恐れていました。なぜならドラゴンは毒性の息や炎を吐くのです(どんだけ強いねん!)。次第に腹を空かせたドラゴンは街にいる動物や家畜を全部食べ尽くしてしまうのです。次は人々全員が食べられてしまう、と街中の人が恐れていました。そこで王様が、苦肉の策として、毎日人間を一人ずつ生贄として差し出すことを決め、数日後にはお腹をいっぱいにしたドラゴンが街から去ってくれることを望んだのです。誰が生贄になるかは、くじ引きで決められることになりました。 ただ、そこで予想外のことが起こってしまいました。なんと一番最初に生贄として選ばれたのは、王様の娘である王妃だったのです。街中の人からも人気があった王妃が生贄になることは、誰も望んでいませんでしたが、王様も例え自分の娘といえど、一度決めたことを覆すのはアンフェアと思い、そのまま自分の娘をドラゴンの住む洞穴に連れて行くのです。 誰もが王妃が食べられてしまうと思ったその瞬間! 突如白馬に乗ったJordiと名乗る騎士が右手に剣を、左手に盾を持って登場するのです。かっこいい!そして、格闘の末、最後にその剣でドラゴンの胸をひとつき、ドラゴンを倒したのです。そしてドラゴンの血が滴ったその地面から突如薔薇が咲いてきたのです。そして、この薔薇を王妃にプレゼントしたのです。王様はJordiをいたく気に入り(そりゃそうだ!)、王妃と結婚してくれと嘆願したようですが、Jordiは街に平和を残し、クールに去っていっていったのです。Jordiは正義の象徴、だから現代でもJordiって名前の人めっちゃ多いのです。 この逸話に因んで、薔薇がプレゼントされるようになったのです。また、本に関しては、4月23日はちょうど「世界ブック・デー」でもあるので、それに因んで本もプレゼントするようになったのです。なぜブック・デーかというと、セルバンテス、シェイクスピアという偉大な二人の作家もこの日に亡くなっているのです。彼らを追悼する意味で、この日がブック・デーになったのです。 以上、こんな感じです! さて、今日はあいにくバルセロナは雨です。でも散歩に出かけ、サン・ジョルディを楽しみたいと思います!多分一年で一番賑やかな日なので。 また、Tot anira beでは、1日限定のセールをやってます。サン・ジョルディ(さんじゅう)だけに花柄モチーフの服を30%オフにしてます。あと14時間、お見逃しなく!さっきの逸話に因んで、「出血」大サービス! 夫
🌹サンジョルディセール!!🌹
お知らせです。明日4月23日土曜日は、スペインカタルーニャ地方のバレンタインデー!Sant Jordi(サンジョルディー)。 男性から女性に薔薇の花🌹、女性から男性に本📘をプレゼントする、なんともロマンティックな1日なのです。 それに因んで、4/23日本時間、朝7時から一日限定で、フラワーモチーフの物限定(一部対象外もあります)で30%offセールを開催致します。(サンジョルディーなので30) 🌹クーポンコードは''santjordi22''🌹 とってもお得なので、フラワーモチーフで気になっていた物などございましたら、是非この機会をお見逃しなく! 🤳写真はサグラダファミリアで有名なガウディ建築のカサバトリョ。この日限定で毎年真っ赤な薔薇の花で覆われます🌹🌹街中も薔薇の花や本屋さんで賑わいます。由来などを、後日ブログで投稿する予定なので興味ある方読んでみて下さい。*クーポンの併用は出来ません。また、こちらのクーポンはお客様お一人につき一回のみの使用となります。🙇♀️
アディオス、マスク!? by 夫
こんにちは!もうすぐGWですね!まだまだ気軽に海外旅行に行ける感じじゃないですが、もしバルセロナに来る予定がある方、DMください!先着一名でオススメの場所でディナーをご馳走します。本気です。笑 さて、出逢いがあれば、その分だけ別れもある。春はそんなことを思い起こさせる季節。皆様も素敵な出逢い、そして辛い別れを経験してきたかと存じます。私もそう、出逢いも別れも経験してきましたが、でもなぜか思い出すのは辛い別ればかり。。。涙 ただし、今回自分史上最高に辛くない別れがあったのです。それはなんと! スペインでは今日から室内においてもマスクの着用義務がなくなるのです!(病院や公共交通機関内を除く) マスクよ、アディオス!そして、アデウ!(カタルーニャ語でさよなら) そして、子供の学校においては、マスクのみではなく、もしコロナにかかっても隔離どころか、症状がなければそのまま学校に来てもいいのです。これってもう普通の風邪の扱いになってません? コロナによるロックダウンで43日間にも及ぶ外出禁止令が解かれたのが、ちょうど約2年前。しかし、その後もこの2年間あらゆる規制があった。自分の住んでいる地域から出れない、レストランはテイクアウトのみ、10人以上で集まれない、チームスポーツは中止、午前一時以降外出禁止、などなど。徐々にその規制も緩和されていき、唯一残っていた室内でのマスク着用義務も今日から解除!これはコロナの終焉も近いということなのか!? 嬉しい反面、正直、普通の日本的な感覚を持つ私は怖くもある。スペインにおいては、食事の前に手を洗ったり、家に帰っても靴を脱ぐ習慣のない現地の人と比べたら、私はかなりの潔癖症の部類に入るはずだ。 最近まで、道で対面からマスクをしてない人が歩いてくれば、逆サイドに移動し近づかないようにしてきた人間だ。相手は、サイドステップをおもむろに踏む私のことを、カニの生まれ変わりと思ったかもしれない。 エレベーターのボタンなんて絶対指で押さない。絶対エルボーを打ち込む。天国の三沢光晴氏も微笑んでいるに違いない。 と話はそれたが、なんと言っても、スペインでもまだそれなりに新規感染者数が多いのだ。だから若干怖い。おそらく毎日1万人以上いるから、人口対比に直せば日本よりも多いかもしれない。ただ、「おそらく」と言ったのは、そもそも公表される感染者数自体があやふやになってきたのだ。一ヶ月くらい前までMinisterio de Sanidadという、スペインにおける厚生労働省が、毎日事細かに各地域ごとや年齢別に新規感染者や、病院の病床使用率の変化などを公表していたが、急にやる気がなくなったのか、一ヶ月くらい前からは数字のアップデートは2日に一回、しかも色々な分類もなくなっていった。 だから確固たる数字がわからないのだ。ただ、確かなのは病床使用率は現在5%弱。確かにこれなら普通の生活に戻してしまってもいいのかもしれない。 スペインは、欧州の中でもポルトガルと並んで、非常にワクチンの接種率が高い国で、それが功を奏しているのであろう。欧州主要国では70%台の国がほとんどだが、スペインでは人口の86%が2度のワクチン接種を完了している(12歳以上では92%)。受けれない5歳未満や、かかってしまって受けてない人もいることを考えれば、かなり100%に近いと思われる。ブースター接種率こそ一見52%に止まっているが、報告ベースだけでものべ1,166万人の人(人口の四分の1)がすでに感染済みなので、そういった人や子供たちが受けていないことを考えれば、そんなものかもしれない。60歳以上のブースター接種率は92%、40歳以上で79%と、歳を重ねるごとに危機感も強い。ラテンのノリなので大雑把なところも多いが、コロナに関する規則だけは、他の多くの欧州諸国よりもきちっと守ってきたと思う。 私も恐る恐るだが、マスクに別れを告げ、通常の生活に戻っていきたい。まだ人混みの中へ出かけるのさえもちょっと怖いが、気を付けた上で、今年こそはスペインの夏を楽しむのもいいだろう。 2歳の娘からするとマスクをする世界しか知らない。パンツを履くのと同じ感覚だと思う。今朝も幼稚園に送って行く時、あれ?マスク忘れてるよ〜的なことを言って私に教えてくれました。だから今日からマスクしなくていいんだよ〜と教えてあげました。 ただ、娘はまだちゃんとは喋れないので、実は「何その髪型?アインシュタイン?」と言ってたのかもしれない。 夫
スペインの春休みSemana Santaについて by 夫
こんにちは!新年度を迎え2週間が経ちました。皆様やお子様達にとって、良いスタートとなったことと存じます! こちらスペインの(学校における)新年度は9月になるため、長い春休みをまたいで心機一転という感じではないのですが、1週間だけ春休みがあります。それが今週でSemana Santaと呼ばれています。 私たちも、学校が休みかつ、普段は毎週末ある子供のサッカーの試合もないので、今週は絶対旅行に行こう!と鼻息荒く意気込んでおりました。そう、今日は本当は家でブログを書いているはずではなく、イタリアのアマルフィにいるはずだったのです。。。しかし!子供が二人とも40度の熱を出すという事態に。。。旅程を全てキャンセルし、家で過ごすことになったのです。涙 海岸沿いでイタリアンに舌鼓打ちたかった。。。オーソレミオー さて、そのSemana Santa(聖週間)とは一体なんなのでしょう?世界的にはこの時期だとイースター(キリスト復活祭)が有名で、卵型のチョコを食べたりしますが、スペイン(多分他の欧州の国にとっても)にとっては、このイースターの直前の聖週間こそ重要な宗教的イベントになります。聖週間は受難の週と言われ、金曜日にキリストが亡くなり、日曜日(イースター)に復活したとされている中、キリストが(その前の)日曜日にエルサレムに入り、そこから十字架に吊され殺されてしまう金曜日までの受難を追悼する意味で、そのように呼ばれています。従って、スペインの街の至る所で、この追悼パレードが行われているのです。それがなんとも(語弊がありますが)不気味なパレードで、(これもかなり語弊がありますが)アメリカのK K Kみたいな格好している人が、キリストの人形とかを担いでいるのです。どうやら宗教的にそれぞれの曜日に意味があり、それにちなんでパレードの内容も変わっているようですが(そして地域によっても全然違うみたい)、正直勉強不足でよくわかりません。笑 誰か教えて! (写真は4年前に巡礼路でも有名なSantiago de Compostelaで見たパレード) このように神聖な1週間ではあるのですが、このパレードに参加される方々がいる傍、大半の人がバカンスに行く1週間でもあります。なんと言っても季節時にも物凄く良い時期なのです。実は先週までは雨ばかりで気温も10度台前半だったのですが、急に今週から太陽が顔を出し気温も20度を超え、めっちゃX2気持ちいい天気になりました。21時まで明るいし。そして、海沿いのホテルなどもこの週からオープンするところが多く、長い夏の幕開けとされるのです。季節的には旅行するならオ・ス・ス・メな時期です。また、ウインタースポーツLOVERにも重要で、アンドラ近辺などフランス国境近辺の山岳地帯ならまだギリギリまだ雪が残っているため、スキー・スノーボードをする最後のチャンスでもあるのです。だからみんなこの一週間をずっと楽しみにしているのです! なのに私たちは。。。日頃の行いは良いはずなのに。。。社会人一年目の時、節約のため会社の牛乳を内緒で家に持って帰ってたことがいけなかったのかなぁ。。。でもこういう時に風邪をひいておけば、来週から元気に学校に行けるのでよしとしましょう! 夫
ブログジャック3 : なぜバルセロナに移住したか Part 2 by オーナー夫
皆様、こんばんは!先日のブログでは移住シリーズを一回休息させていただいて、生ハムについて書かせていただきました。 何を書いても反響がない!誰か助けて。涙 ただ、今回こそ待望の(?)なぜ移住したかの続きを書いていきたいと思います。涙なしには語れないので、ハンカチの用意を! 前回までのあらすじ サッカーや生ハムを通じバルセロナやスペインに興味を持った筆者が、2009年に初めてバルセロナを訪れる。そこで不器用な男、筆者がバルセロナに恋をするのである。 さて、この後一体どんな展開が待っているのか?筆者とバルセロナの恋の行方は? ↓↓↓ バルセロナ旅行からニューヨークに戻り、しばらくは遠距離恋愛をしている気分だった。幸い職業柄かなり忙しかったので、とりあえずは仕事及びニューヨークを謳歌することに集中した。実はニューヨークのことも大好きだったのだ(え?二股?)。 ニューヨークでももちろん生ハムを丸ごと一本購入した。ただ、ニューヨークの家電はアメリカサイズ、冷蔵庫もデカかった。したがって、脚一本丸ごと冷蔵庫に収納することができたのだ。これで家中が獣臭くなることはなかった。ただ、友達のY君が家に来て不意に冷蔵庫を開けた時、ただならぬものを見てしまったという表情で冷蔵庫を閉めていた。ただ、Y君には胸を張って言いたい、あの時あなたが見たのはバラバラの遺体ではなく、ただのハムですよ!と。 その後時は流れ、2013年。なんと一つのニュースが飛び込んできた。スペインが外国人を呼び込むために新しいビザの制度を作ったのだ。ここでは詳しくは言及しないが、移住に興味がある方がいれば、今後何らかの形で情報をシェアさせていただきたいと思う。 その条件は簡単なものではなかったが、若干の道筋が見えた瞬間だった。いつしかスペインに移住ができるのでは?という具体的な目標ができ、それに向かって仕事を頑張ることにした。 そんな中、2013年に一旦ニューヨークから日本に戻り、2年働いたのち、転職し、2015年にニューヨークに戻った。転職の間のいわゆるガーデン・リーブ(他の会社では働けない期間、金融機関同士の転職だと通常3ヶ月ある)では、家族を連れて再度スペインへ渡り、バルセロナ、マドリッド、トレド、バレンシアを見て回った。こんなところに住めたらな〜、という想いがさらに募っていった。 正直、この頃から金融業界で働くことに疑問を感じ、モチベーションの維持がかなり大変であった。なんの不満もなかったし、やりがいのある仕事だった、ただ一回きりの人生果たしてずっと続けていきたいのだろうか。多大なストレスもあったし、家にいても常にブラックベリー(今は無くなった携帯端末)を見ていなければいけなく、家族と時間を過ごしていても、いつもどこか上の空であった。また、同じ時期に尊敬していた上司が若くして亡くなるという、とても悲しい出来事があった。本当に人はいつ何が起こるかわからないし、やりたいことはできるうちにやらなければいけない、という想いに駆られた。仮に自分に残された時間が少なければ、最後まで金融機関ずっといたいのか、その答えは明白であった。 ニューヨークという街ほど刺激的な街はないと思う。世界から優秀な人が集まる仕事環境としてはもちろんのこと、ブロードウェイなどのエンターテイメント、クラブ、バーといったナイトシーン、ファッション、音楽イベントなど、何をとってもかっこよかった。ただ、如何せん冬が長く寒い!物価が高すぎる!そして人の上昇志向が強すぎて、計算高い人が多すぎた!これはあくまでも個人的な感想だが、自身の損得勘定で付き合う人を決めたりする人が多く(あくまでも一部だと思いますが)、人間関係でも疲れることが多かった。ニューヨークのことは未だに好きだが、家族もできたこの頃から、ここじゃなくても良いな、と思い始めていた。 2016年にも二回バルセロナへ渡った。実際住むとしたらという視点で、住宅事情や様々なインフラなどを実地調査した。その結果、インフラも整っていて、治安も比較的良く、物価・地価は比較的安い、教育水準も低くはない、アジア人差別もあまりなさそうだ、ということがわかり、ますます移住を現実的に捉えるようになった。 そして2017年の年明けに移住を決めた。不安もあったが、子供も当時まだ4歳、変化にはまだ敏感でなかった。私も当時まだ30代後半、失敗してもやり直しがきく。何より大好きだったアンドレス・イニエスタもそろそろ移籍か、と言われていて、生で見るなら今しかない、という想いもあった。何より自分の中のリトル林先生にも背中を押してもらった。「いつ行くの?今でしょ!」と。 ちなみにうちには大好きなアンドレス・イニエスタ様人形がいくつかある。この3月、2歳の娘用に雛祭りを祝ったのだが、スペインではもちろんお雛様が手に入らない。妻が勝手に私のイニエスタ人形様を即席お内裏様に変身させていたのには驚いた。偉大なイニエスタ様はお内裏様にもなりえるのだ。 その後本格的な移住の前の4月に、銀行口座の開設や子供の学校などの手続きに再度バルセロナへ。その後正式に会社を辞めた。もう後戻りはできない。未だにこの決断が正しかったかは分からないが、小さな夢を叶えた瞬間だった。 次回いよいよ移住編最終回へ!